「大学は出たけれど」

「大学は出たけれど」
これは、1929年小津安二郎監督が映画化したもので、当時(昭和初期)は、大卒者の就職率が30%という不況の底にあったらしい。
多少、コメディタッチで描かれたものであるらしいが、親子の悲哀に満ちた映画だ。

その「大学を出たけれど」という映画が、また新たに制作されそうな昨今の就職環境である。

物に溢れ、豊かな中で育ってきた学生達だろうが、人生の本当の船出の時に、乗る船が見つからない、或いは乗せて貰えない状況なのだ。

これは、高度経済成長路線の中で若い世代を過ごした我々には、あまり理解できないことではあるが、考えてみると、こんなに悲