趣味でつながる、仲間ができる、大人世代のSNS、趣味人倶楽部(しゅみーとくらぶ)

よくあるご質問

素浪人の『万葉集漫談』(159話)…仕掛けられた罠と、古代から変わらぬ性生活と。

(159) 足柄の をてもこのもに 刺す罠の
       か鳴る間しづみ 子ろ吾紐解く
        巻14・3361 相模国(神奈川県)の東歌
大意・ 足柄山のあちらこちらに仕掛けた罠に獲物がかかると鳴り響く。一段落してその音が静まるのを待って、この可愛い娘と私もお互いの紐を解きあい、共寝をするこにしよう。

解説・ 古代から獣を獲るための罠が随所に張られ、見張りをしていた若い男女が、獲物がかかるのをまつ時間を、抱き合って愛の情熱を傾け合ったと云うことであろう。
 をてもこのもには、「彼面此面」にで、あちこちにの意味。
現代に続く狩猟の罠は、万葉の時代にも盛んに行われていたことがわかる。
大胆で率直な男女の性の表現も、古代独特の野性味が感じられて好もしい。狩猟の収穫の祝宴などで謡われていた歌であろうか。

(159’) 多摩川に さらす手作り さらさらに
      なにぞこの子の ここだ愛しき
        巻14・3373 武蔵国(東京、埼玉)の東歌
大意・ 手織りの布を(仕上げるのに)多摩川の水にさらすのであるが、さらさらと晒すその「さらさら」以上にさらに、どうしようもなく、この娘子が可愛いくてたまらない! 

解説・ 労働の場で謡われた作業歌でしょうか。「さらさら」を繰り返し、古代の明るく楽しい風景が、蘇ってくるような歌で、現代でも多くの方に親しまれているようです。
万葉の時代、きれいな多摩川の水で布を晒し、納税品として朝廷への貢物にしたことがわかります。田園調布、調布市等の地名がその特産品の名残を示しています。

『万葉集』は遠い昔の難しい文化と決めてしまわずに、現代文化とつなげて鑑賞すると、新しい息吹を身近に感じますし、古代を生きた人々、私達の祖先の、日本民族の営為に大きな誇りも湧いてくるのではないでしょうか。

カテゴリ:ニュース・その他

コメント

コメントはログインすると見られるようになります。