食事の支度をしながら
キミはいつも歌っていたね
適当に即興で歌っていたのか
歌う度に歌詞が違ってたけど
メロディはいつも同じだった
「それ、何の歌?」
そう訊くボクに
キミは笑うだけで答えてくれなかったね
掃除機をかけながら
洗濯物を丁寧にたたみながら
車の助手席で
窓の外を流れる景色を見ながら
いつもキミは同じメロディを口ずさんでいた
何処かで聴いた事があるような無いような
でも
不思議と懐かしい気持ちになったよ
何だか
ボクまで優しくなれるような
そんな温かな懐かしさを感じていたんだ
いつの間にかボクも
そのメロディを
知らない内に口ず