趣味でつながる、仲間ができる、大人世代のSNS、趣味人倶楽部(しゅみーとくらぶ)

よくあるご質問

素浪人の『万葉集漫談』(161話)…青春の微笑ましい一こま。

(161) 信濃なる 千曲の川の さざれ石(し)も
         君し踏みてば 玉と拾はむ
                巻14・3400 東歌
解説・ 「愛しいあなたが踏んだ千曲川のさざれ石なら、大切な玉と思って持ち帰りましょう」という意味の微笑ましい、大変ポピュラーな東国農民のあいだで謡われていた歌です。
大切な人が触れたもの、愛用したものを、忘れ難きものとして大事にする思いは現代の誰にもありますね。亡くなられたお子様の鞄や絵は、もうその親御さんにとっては、ただの鞄ではありません。ただの書き散らしではなくなるのです。

先日、友人の案内で、深雪に埋もれた「姨捨て山」へ参りました。眼下には細長い段々畑の銀世界が広がり、遠く千曲川が流れていました。
子供や家族の食いぶちを保つために、涙ながらに年老いた母親を背に負い、この地に捨てに来たのですね。
心の中で掌を合わせながら、時代の推移を想いやったことです。

(161’) 利根川の 川瀬も知らず ただ渡り
          波にあふのす 逢える君かも
      巻14・3413 上野(かみつけの・群馬・栃木) 
解説・ 「利根川の浅瀬もわきまえずがむしゃらに渡って、大波に出会ったようにだしぬけに、どんと抱きついてきたあなたよ、ああ!」という、これも良く知られた歌です。
出逢いの驚嘆の大きさを表現して愉快な歌です。いや、「この世間知らずが!」という寓意も感じられますね。
「のす」は「なす」の東国訛りです。

コメント

コメントはログインすると見られるようになります。