雪は、あっという間に溶けてしまった。
おだやかな陽ざしが、まるで何事も
なかったように射している。
おだやかな 陽ざしに和む 冬景色
そんな句を創っていたら、昔、小学校の
時に唄った「冬景色」を思い出して、思わず
口にしていた。
たしか、文部省唱歌だったと思う。
さ霧消ゆる湊江の
舟に白し 朝の雲。
ただ水鳥の声はして
いまだ覚めず、岸の家。
その頃は、ただ大きい声で唄っていたが、毎年
冬になると、自然に口にしていた。
冬の朝のピリッとした空気。
すっきりとしたその空気の中に佇んでいるような
気が