湖国早春

穴太積巡りて走る春の水

春光の一隅てらす写経の間

墓の丈ほどの白梅一二輪

観光にきて嫁のこと春の婆

名ばかりの坂本城址鳥雲に

枯れ葦の間や残雪の蓬莱山

えり挿して遥かに近江富士かすむ

春だねと呟いてみる沖の色

吾ゆけば鴨たち騒ぐ水の音

春を呼ぶ空映りこむ船溜まり

辿りきし春の汀の半里ほど

唐崎や春めく波の又のたり

唐崎の松巡りゐて春めきぬ

探梅の夕べ名代の鶴喜蕎麦

カテゴリ:ニュース・その他