素浪人の『万葉集漫談』(166話)…万葉人のあけっぴろげな、大らかさ!

(166) この川に 朝菜洗ふ子 汝れも吾も
     よちをぞ持てる いで子給りぬ
        巻14・3440   東歌
解説・ この川で朝菜を洗ってるお姐ちゃんよ、お前さんも俺も同じものを持ってるんじゃないか。ちょいとそれをお呉れでないか…。という意味の歌です。
あけすけに恋を囁いた、いわば戯れの歌です。相手は宿場の女でしょうか。

よち→同年輩の子を言いますが、ここでは性器の隠語(学会の通説)と解します。 給りぬ→賜らねの訛り。

思わずクスッと笑いだすような歌ですが、古代の庶民生活の一こまが見えて楽しい気がします。

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