割下水

日本一周 鎮魂サイクリスト 自宅まで
 四十キロの 事故死悲しも

★『割下水』(三浦武/九芸出版)を読みました。
※波乱万丈に富んだ人の歌集です。実感的に感動しました。

《貧しさの罪ならぬこと妻に知り
  失職の日の支えとなしぬ

ちちははを人と看なさず無灯火に
  棄て来ぬ戦後いつまでの国

顔寄せて棘のてのひら覗く妻の
  どこよりも未知の思ひに

客を引く母のかなしみ知らぬ子は
  我が家に積木持ちきて遊ぶ 

生きゆくに常に何かが欠落し
  保身身につかず今の職場も

わが帰り待ちくたびれて眠りしか
  グローブ夢を掴むがに置く

過激派を否