ゴヤ・「Aun aprendo おれはまだ学ぶぞ」

堀田善衛著『ゴヤ ? 運命・黒い絵』集英社文庫、これで全巻読了。
 文庫で2000頁にもなる大作だが、思いのほかすらすらと。
 『ゴヤ』が最初に「朝日ジャーナル」に発表されたのは昭和48年、翌年に新潮社から出され、それから毎年1巻ずつ刊行、52年に完結。その頃、職場の同僚が結婚祝いに、この本が欲しいと言っていたのを思い出した。
 それが今回、集英社文庫として再販された。

 糟糠の妻に20回も妊娠させ、妻の兄によって宮廷画家として引き立てられたが、その老妻が亡くなると四十歳以上も年下の人妻を後添いにしたゴヤ。その生涯に何とも脂ぎった執拗さを感じてしまう。