(177) 新羅へか 家にか帰る 壱岐の島
行かむたどきも 思ひかねつも
巻15・3696 遣新羅使人 六鯖(むさば)
解説・ 新羅へ行くかいや、ここで引っ返して家に帰るか。
亡くなった君が眠るこの壱岐の島に立ち往生して、わたしたちは、もう途方に暮れて続航の手立てさえない。…といった歌です。
・たどき→手がかり、手段。
祝島(写真・ナカチャンさん提供)まで順調に来た一行は周防灘で遭難、豊前中津、博多湾の唐泊など紆余曲折の末、玄界灘へ。しかしここでも時化にあうなど散々な目にあい、やっと辿りついた壱岐対馬。そこで使人の一人