素浪人の『万葉集漫談』(179話)…ああ、わが母国!そして、わが家!

(179) 家島は 名にこそあれ 海原を
      我が恋ひ来つる 妹のあらなくに
            巻15・3718 遣新羅使人
解説・ (おお、家島に帰りついたぞ。)しかし家島とは名ばかりの島だったのか。(遠く荒れる)海原をひたすらに恋い、わが家を目指して帰ってきたのに、愛しくてたまらぬ妻は居はしないではないか。…という意味の「家を恋う」歌です。
 ・家島→兵庫県南部、播磨灘北部にあり、姫路市に編入。

注)まだ、播磨灘に辿りついたばかりです。家島と家を懸けた,島名を皮肉った歌です。自宅に帰りついて妻の笑顔に迎えられるにはまだ数日かかります(