子どもたちにいい文章をたくさん読ませたい

丸谷才一著『完本日本語のために』新潮文庫、を読了。
 昭和53年と61年にそれぞれ文庫化された、『日本語のために』と『桜もさよならも日本語』を台本として若干の章の加除が行われて『完本』としているので、その多くはうっすらと記憶にあった。
 国語教科書批判として、子供に詩を作らせるな、よい詩を読ませよう、中学生に恋愛詩を、などたくさんの項目が続く。
 具体的な例を示しながらその論拠を展開している。
 「文部省の検定とやらは、平和をたたへたり戦争の悪口を言つたりさへしなければ、どんな愚劣な文章が収めてあつても差支へないといふ方針と見受けられる。つまり文体につい