第9折々のうた

命生む 母が我が子に 反戦を
 教えたならば 世界は平和

★『第9折々のうた』(大岡信/岩波新書)を読みました。
※1991年4月までの1年間、朝日新聞紙上に掲載された、短詩型詩歌&解説です。推薦度★★★★。

《母も死に子も死に河がながれていた  高屋窓秋(そうしゅう)
…昭和12年、日中戦争開始の時期の作である。無季の句》

《女より智慧ありといふ男達
この戦ひをやめぬ賢こさ  与謝野晶子
…「この戦ひ」とは第1次世界大戦の事。4年にわたる戦争の惨禍を女性の観点からこのように皮肉、端的に批評した作は晶子以外の誰にもなかった。「前なるは先づ骨となり後