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よくあるご質問

モレシャンの苛酷な人生を重ねたエレジー。…素浪人の『万葉集漫談』(193話)

フランソワーズ・モレシャンと言えば、美容、ファッションの先端を行くパリ生れの美女で、凡そ、そうしたこととは縁遠いところに住む私もいつしかその名を知るようになりました。
そのモレシャンさんが過ごした子供時分の、重い人生を重ねて選んだ悲歌が次の万葉歌です。

(193)  うつせみの 命を惜しみ 波に濡れ
      伊良虞の島の 玉藻刈り食(ハ)む
        巻1・24 麻続王(オミノオオキミ)

解説・ ほんに私は命を惜しんで、波に濡れながら伊良虞の島の海藻を刈って食べている。(実に浅ましいことだが)…という意味の歌です。
 島民が「海人(アマ)でもないのに、(高貴な御身分の)麻続王が伊良虞島の藻を刈っていらっしゃる、おいたわしい。」と詠ったのに応えた歌です。伊良虞は伊良湖という説も強いのですが異説もいくつかあります。罪名は分りませんが、子供二人と流刑地を別々にされて、本人は伊良虞島へ流罪となっていたのです。

モレシャンさんのお父様がナチス占領下のパリでレジスタンス活動中に捕らえられ、彼女の目の前で拷問を受けたといいます。曾祖父もソ連軍に追われ、亡命して生き延びられたとか。
彼女が「戦争絶対反対!」を叫び、そして生き延びることの辛さ、強さを訴えて、この万葉歌に自分の気持ちを重ねるのも良くわかる気がします。この万葉歌のフランス語訳までされています。詳しくは「日めくり万葉集」4月11日[月)放送をご覧ください。

さて、TVは今日も東北関東大震災の避難民と、福島原発の放射線漏れ問題が集中的に流されていて、心落ち着かない一日です。
起こった現実にはしっかりと目を向け、対応を急ぐ姿勢が大切ですが、未曾有の大事故故に、戸惑い、苦しみ、悩みながら、人々を守ろう、国を守ろうと、身を挺して働く尊い人々の姿があることを私達は片時も忘れてはなるまいと思います。
いや、これをマネージし統括し日夜、寝る暇もなく体を張って働き遠しの政府や官僚、自治体の皆さん、npo、ngo、等々の皆さまにも心からの敬意と謝意を表したいと、思う事です。
 後手だ、スピードが遅い、指導力がない等などと騒ぐのは、後に、その足跡をじっくりと分析し、検証してからでも間に合うことです。

『万葉集』を読むとき、死罪、流罪になった多くの史実を振り返り、大きなミスや事実誤認の多さに気付かされます。
歴史の大きな流れの中で学び、考えさせられることが、現実への大きな懸念となって、あるいは私を臆病にしているのかも知れませんが…(苦笑)。

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