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よくあるご質問

見つめ続けるひと

見つめ続けるひと

数年前に、勤務先のビルの近くにJRの線路の上に架かる大きなガードがありました。下を山手線、東海道線、京浜東北線、新幹線がひっきりなしに走っています。
そこを通ると一日中、そのガードの上でJRの線路を眺めている人がいました。ヘルメットを被り白い合羽を着て黄色の安全ベストを付け、トランシーバーを首からかけています。

国賓級のVIPの乗った列車が通るのを警戒している警察の人かと思いましたが、来る日も来る日もその人はガードに立っていました。
私は釣りをしている人に「釣れますか」」と声をかけて「だめですね」の答えに納得するので、ある日その人に思いきって聞いてみました。

「ちょっとお聞きしますが、あなたは毎日ここで何を見ているのですか」
その人は話してくれました。

「今あそこに線路に沿って30階立てのビルを建てていますね」「工事現場にクレーンがあって、回転しますが一番左の新幹線の走る上にクレーンのアームがかかってはいけないという規則があります。新幹線は東京駅を出てまだスピードが上がっていませんが私が見ていて、近づく前にクレーンの操縦者にこの無線で伝えるのです」

わたしはひどく感激しました。「ええっ。世の中であなたはこういう重要な事をしているのですか」と。

ありえないことですが、万一にも吊り上げている鉄骨がバランスを失って走っている新幹線の車輌を直撃すると大変な事故になります。地震でバランスを失ったり、上で操縦している人のステックの位置が狂う事もありえます。

既にビルは完成していますが、今回の地震があって、ずうっとガードを睨んでいたあの人を思い出しています。

カテゴリ:ニュース・その他

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