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みちのくの被災地、再興を願いつつ!…素浪人の『万葉集漫談』(198話)

(198)  託馬野に  生ふる紫草   衣に染め
      いまだ着ずして  色に出でけり                 巻3・395 笠女郎(カサノイラツメ)
読み・ ツクマノニ オフルムラサキ キヌニシメ
      イマダキズシテ  イロニイデケリ 
解説・ 託馬野(滋賀県米原町筑摩か)に生えた紫草で着物を染めあげて、まだ袖も通さないうちから噂になってしまったように、貴方との恋仲もまだ実ったわけでもないのに、人様のお口に上るようになってしまいましたわ。…というほのかな女の慕情を伝える恋文です。

(198’)  陸奥の 真野の草原 遠けども
        面影にして 見ゆといふものを 
                  巻3・396 笠郎女
読み・ ミチノクノ マノノカヤハラ トオケドモ
           オモカゲニシテ ミユトイフモノヲ
解説・ みちのくという(福島県相馬郡鹿島町を流れる川か)真野川辺の草原は遥か遠い国とお話しに聞いておりますが、その遠い草原でも思いを凝らすとはっきりと見えてきますのに、貴方さまのお姿は目に浮かんで参りませぬ。…お近くに住んでいらっしゃるのにどうしてお逢い下さらないのですかという恋歌です。

『万葉集』には笠郎女の大伴家持へあてた29首の歌が巻3に3首、巻4に24首、巻8に2首もあります。
このころの大伴家持は父、大伴旅人死去の跡を継いで、大豪族大伴氏を率いる若者として、官界に颯爽と登場してきたいわば輝くような存在の青年将校でした。乙女たちのあこがれの存在でもあったのでしょうね。

歌に東日本大地震被災地の名前が出てきたことも、何かの因果かも知れません。
万葉の時代から幻にも浮かぶ美しい川や草原のあった、みちのくの国です。被災地の再興が壱日も早く進むことを願って、私の「漫談日記」は笠郎女の29首の歌を少し解説してみたいと思います。

カテゴリ:ニュース・その他

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