素浪人の『万葉集漫談』(200話)

(200)  奥山の 岩本菅(イハモトスゲ)を 根深めて 
          結びし心 忘れかねつも
        巻3・397  笠女郎(カサノイラツメ)

大意・ 奥山の岩陰に生える菅の根を結びあうように、お約束したことを、いつまでも忘れることができません。

(200') わが形見 見つつ偲はせ あらたまの
        年の緒長く われも思はむ
         巻4・587  笠郎女 
大意・ 差し上げた私の形見を見て、あたしを思い起こしてください。幾年月をへても、貴方をお慕いしております。
 ・形見→鏡、衣装の類が多かったようで、離れた