あの桑原武夫教授も西田佐知子ファン

林達夫・久野収『増補・思想のドラマトゥルギー』平凡社選書、読了。
 読み終わって、フゥーと息をつくような、「こういう教養人はもういないかもしれないなー」という感じをもってしまった。
 巻末の人名索引を正確に勘定したわけではないけれど、おおよそ900人位のうち、過去に一度でも眼に触れたことのある人は7割もいないだろうな。洋の東西・時代を問わず、広汎な話題について渉猟する二人の対談も、久野さんが聞き役で林さんが応ずるという形で話が展開する。読んでいて、濃い霧がたなびいている中に、突如知っている人や事柄が現われ印象を残して、また次の話題へと移っていく、その小気