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よくあるご質問

東京電力の驕り

東京電力は発電、送電共にほぼ独占して事業を経営していた。それにもかかわらず、90億円という多大な広告費を費やし、新聞、テレビ、御用学者、評論家、ジャーナリストなどを動員し、自社に都合の良い世論誘導を行っていた。

 例えばスポーツライターの玉木正之氏はある広告代理店から一面広告のインタビューとして原発について自由に意見を言ってくれとの依頼を受けた。謝礼は500万円。仕事を引き受けるつもりで、「今ある原発はともかく、これ以上原発を増やすべきでない」と話すつもりでいたが、「それでは困る」と代理店から言われ、その後メールと電話でやりとりがあったが、結局「また機会があれば」とのことで物別れとなった。「原発の重要性を語らせるつもりなら、最初から私は不向き。地域独占と公共料金で成り立つ電力会社に宣伝費が必要と思わない。高額ギャラは口止め料のつもりだと思った」と玉木氏。

 またジャーナリストの青木理氏によれば「2008年、大阪の放送局が(原子力専門家で原発の危険性を警告してきた)京都大学の小出裕章氏を取材して放送したドキュメンタリーがあったが、電力会社が抗議して放送局番組から広告を引き上げた。電力会社は否定しているが、局幹部にも原発の安全性を強調した講習を受けるように要求したようだ」「これ以前にも、広島のテレビ局が低線量放射線による被爆問題を放送した時、地元電力会社から広告引き揚げの圧力を受け、、当時のプロデューサーらが左遷されたと聞く」 

 また評論家の佐高信氏は、東電のマスコミ対策費は250億円以上で、「表向きの宣伝費とは別に、記者の接待費や交際費もある。(電力各社でつくる)電気事業連合会の宣伝費も加えれば、実際はもっと多い金額になるはずだ。」と述べる。(以上 5/17東京新聞「こちら特捜部」より一部引用) 

 公共事業を独占的立場で経営し多大な利益を上げ、潤沢な広告費であらゆる手段で意のままに、原発の安全性を国民の頭に刷り込んできた構図が上記の記事から垣間見えてくる。

 かつて発電と送電の事業分割が図られたこともあったが、電力会社に不利な動きは自民党の族議員により差し止められたようだ。「想定外」の言葉で、不可抗力を匂わせ責任を回避する動きも事故発生当初はあったが、東電内部から想定そのものが費用節減の視点から甘かったところもあると反省の言もあった。後者がより真実を示しているようにも思える。

 福島第一原発の事故は、優位な立場で事業経営に臨んだ東電の驕りが生んだ人災以外の何ものでもないといえよう。原発所在地周辺に居住する多くの人々が、住みなれた土地を離れることによる心身の苦痛を余儀なくされている。この人たちに対し、また原発事故により影響を蒙った国民全般に対し東電はどのような償いをするのだろうか。その償いには公共事業経営者としての謙虚さと、自社の利益よりも公共の安全を重視する経営への転換も当然含まれよう。

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