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よくあるご質問

はにかみ屋の夫の多彩な語彙

少し読書生活から離れていた。
 ここ二・三日で読んだのは『NHK世界美術館紀行2』NHK出版、佐藤幸三著『モナ・リザはなぜルーブルにあるのか』実業之日本社、中村明著『語感トレーニング』岩波新書。
 NHK出版は、同期会で夕張から札幌に戻ってNHK前で貸し切りバスから定山渓のホテルバスに乗り換えるとき、NHKのトイレを使わせてもらった折、ロビーの書籍売店に並んでいたもので、何人かトイレを利用したのでただでは申し訳ないと思って求めた。
 日本では外出しても公共施設はもとよりデパートや大きなビルのトイレが利用できるので助かるが、海外に出るとカフェやレストランを利用するか、トイレおばさんに50セントを払って利用するという具合で、これは日本の良さだとあり難く感じている。

 『美術館紀行』はファン・ゴッホ美術館・アムステルダム国立美術館・マウリッツハイス美術館を取り上げたもので、どれも一昨年秋に訪問した美術館でもあり、懐かしく手にした。NHKが取材して放送したもののシリーズ全10巻の一冊で、1,200円。
 『モナ・リザ』の方は、新書版ながら横幅が1cm広く、カラー写真も多数掲載されて、ダ・ヴィンチの足跡を追ってミラノ、パヴィア、マントヴァ、ヴェネツィア、フィレンツェ、ローマ、ウルビーノ、イモラ、ボローニャ、アンボワーズでの作品群を追ったもの。
 『語感トレーニング』は、岩波書店刊『語感の辞典』を著した中村明先生の−日本語のセンスをみがく55題−と副題の付いた、Q&Aで楽しめる新書。
 例えば、「過日・先日・この間」や「途中・中途」、「些細・瑣末」の使い分けなど。
 「些細・瑣末」はどちらも、取るに足らないどうでもいいことを言うが、些細は、細かすぎるところに重点があるのに対し、瑣末は本筋と無関係であるところに重点がある、という具合に、改めて書かれるとなるほどと納得させられる。
 殊更意識して文章を書くときは、角川書店『類語国語辞典』を調べて最もふさわしいと思われる言葉を探し出す手間をかけるが、日記ではついいい加減になってしまう。
 この新書のコラムに、?「自分の妻」、?「話し相手の妻」または「他の人の妻」をさす語を思いつくかぎりあげよ、というものがある。
 ?いえの者、うちの者、うちのやつ、奥、かあちゃん、かかあ、家内、かみさん、愚妻、荊妻、妻(さい)、細君、妻、連れ合い、女房。フラウ、山の神、嫁、ワイフなど。
 ?おかみさん、奥方、奥様、奥さん、お内儀、かみさん、賢婦人、御新造、御寮人、細君、夫人、マダム、令閨、令室、令夫人など。
 妻をさすことばに比べ、夫をさすことばは極端に少なくて、特に他人の夫に使えるのは「ご主人」か「旦那さん」くらい。
 《夫と妻の双方を指せる「配偶者」は法律めいた雰囲気が強く、日常のやり取りに使うと手紙でさえひんやりと隙間風が吹く。古風な「ベターハーフ」は甘ったるく他人の前ではのろけた感じになる。近年よく使われる「パートナー」は入籍していない匂いがどことなく漂って妙な気になる。見捨てられていた昔風の「連れ合い」にこのところ復調の兆しが見えるのは、男女兼用の日常語が見当たらないせいかもしれない》。
 前掲のように、配偶者である女性のほうの呼び名が豊富なのは、日本の男のはにかみが多くの間接表現を生んだせいかもしれないと、著者は言う。
 長門裕之さんが使っていた「愛妻」も「新妻」も「思い妻」も「恋女房」も、それに対応する男性版はない。

カテゴリ:ニュース・その他

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