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よくあるご質問

ブータン王国の選んだ道

ブータン王国は、中国とインドに挟まれた九州と同じくらいの面積で、人口は約68万の小国で、政体は立憲君主制である。

 主たる産業は農業、資源は殆ど手付かずの森林資源とヒマラヤ山系から流れ来る水資源のみ。水力発電で作った電力をインドに売ることで外貨収入を得ている。

 経済成長を狙う国であれば、積極的に外貨を誘致し、安い労働力を提供することで経済のフローバル化を計ることであろう。しかし、ブータンは、資本主義的政策の採用には慎重である。

 例えば、ヒマラヤ山系の中にあるブータンは、雄大な自然に恵まれ、チベット仏教寺院も多く、観光地とし発展する可能性は大きいけれど、政府は観光客の受け入れを敢えて制限している。むやみに観光客を受け入れることは欧米の浪費文化が入り込み、ブータンの伝統的な価値観に悪影響を及ぼすことを警戒してのことである。

 観光でブータンを訪れる人は、政府指定の旅行業者を介しホテルを予約し、一泊200ドルの前納しなければならない。バックパッカーなどの生活スタイルはブータンの文化に馴染まないということもあるらしい。

 その姿勢は西欧的な文化に敵愾心を抱くというより、自分たちの文化を大切に維持する思いが強いことの表れであるようだ。国民の90パーセントは、国王を敬慕し従来どおり王制の存続を望んだガ、開明的な王室が率先して国民を啓発し、2008年選挙制度を導入して、王制から民主制に切り替えたことにも、ブータンの進取性は窺える。

 ブータンが市場原理主義や欧米流民主主義に距離を置いた背景には、1972年当時の第四代国王が「国民の幸福はけっして経済発展では計れない」との観点から国民総生産(GDP)の追求よりも国民総幸福量(GNH)の向上を目指すとという国家理念を掲げ、国民の大多数がその理念を支持したことがある。

 ブータンの人々に取り幸福とは、「チベット仏教に基づく伝統的な生活を守りつつ、豊かな自然と調和して生きていく」(中谷 巌氏)ことのようだ。経済発展よりも自然保護を優先させる生き方は、物質的に豊ではないかも知れない。しかし、こころの豊かさは、幸福感には欠かせないことであることは、国民の大多数が幸福であると感じて日々を送っていることに現れているようだ。

 GDPの観点から国民にどんどん消費させることが、数値としての経済成長率の増大に寄与することは間違いではないが、、それは必ずしも幸福感に繋がることではないことを私たちは気づく時期に来ているのではないだろうか。

 ブータンのような国家を侵略することは国際社会の反発を招くことになるので、周辺の大国も慎重にならざるを得ず、安全保障上でも効果があるようだ。

(上記は、外務省「ブータン王国」、中谷巌著「資本主義はなぜ自壊したのか」を参考に記しました。)

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