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よくあるご質問

名文の条件、匂うがごとく。…名歌200選?、『万葉集漫談』(218話)

名文といわれる文を一度位はものにしたい…とは誰しもが抱く願望ではなかろうか。

では、その名文の条件とは?
?「匂うがごとく」…文章のいのちが瑞々しく匂うような、そんな文章こそがそうだという文筆家は多い。
?「品格」…文章に格調と気品に満ちた作品という立場からの発言もある。
?「すっきりと」…乾いた透明なすっきりとした文章という主張もある。
?「書いた人間の信念なり生活なり体臭が伝わってくる」ことが大切とする考えの人もいる。
いやいや、「名文談義」はまだまだ続く。
?「あらゆる用語を駆使し、あらゆるセンテンスを自在に使いこなして様々に風趣を膨らませてこそ真の大文章は生れる」とか
?「鑑賞というより読者に感動を与え、読者が行動に移す文章を」と言い、「内面的な欲求の切迫感」を求める。etc.

今朝、早く目覚めて「類語辞典」「語源辞典」「日本語のレトリック」「感情表現辞典」などに目を通していて、このような高等な論議を改めて拝見、わがつたない「万葉日記」に拍手やコメントを頂戴している読者諸兄姉のご厚意に、改めて感謝申し上げるべきことに気がついた次第です。しかも、個々にご返事や御礼を申し上げる時間がないことが多く失礼の段、なにとぞお許しを頂きたいと思います。


(218) 河上の ゆつ岩群(イワムラ)に 草生(ム)さず
         常にもがもな 常娘子(トコオトメ)にて
             巻1・22  吹黄刀自(フフキノトジ)
大意・ 河辺の神々しい岩石には草も生えず清らかなように、十市皇女様も、永遠の乙女としていついつまでもお変わりないことを!

解説・ 十市皇女(父天武天皇、母額田王)が伊勢神宮に参拝された時皇女に従った吹黄刀自が詠んだ歌です。天武4年(675)2月のことです。
壬申の乱(ジンシンノラン・672年)で、十市皇女は夫だった大友皇子(弘文天皇)が、実父の天武天皇に攻め滅ぼされて自殺、未亡人となっていました。政略結婚の時代です。 むごい人生を生きなければならなかった憂愁の皇女を思いやる、刀自の心のこもった歌になったと思います。
大友皇子の父、天智天皇に嫁いでいた母親の額田王(ヌカタノオオキミ)もまたまことに複雑な思いで、わが娘の不幸な境涯を見守るのみだったようです。

律令国家として日本の国が栄え始めるころ、華やかな政治の裏街道にはこうした悲話が幾つもうまれていたのです。

カテゴリ:ニュース・その他

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