永田町はもう血も通わず、人の悲しみさえ感じない人間だけか! 名歌200選?…素浪人の『万葉集漫談』(219話)

(219) うつせみの 命を惜しみ 波に濡れ
       伊良虞(イラゴ)の島の 玉藻刈り食(オ)す
              巻1・24 麻続王(オミノオオキミ)
大意・ この世の命を惜しみ波に濡れて、伊良湖の島の玉藻を刈って、食べていることです。…という悲哀にみちた嘆きの歌です。

解説・ 麻続王は672年、天武天皇が吉野の隠棲生活を捨てて、近江朝廷の大友皇子を攻め自殺に追い込んだ、あの壬申の乱(ジンシンノラン)で、大友皇子の味方をしたのでしょうか。愛知県渥美半島の伊良湖(潮来、因幡など異説あり)に流刑となりました。674年4月のことでした。