今頃になって「学ぶ楽しさ」を

広中平祐著『生きること学ぶこと』集英社文庫、加地伸行著『「論語」再説』中公文庫、いずれも5月の文庫新刊を読了。
 前書は、高校生を読者対象として書かれたものかもしれない。広中先生は1931年生まれ、京都大学理学部卒、ハーバード大学院数学科博士課程修了。70年に「複素多様体の特異点に関する研究」で数学分野の最高賞のフィールズ賞受賞。75年に文化勲章受賞。京都大学・バーバード大学名誉教授。04年に仏レジオンドヌール勲章受賞。
 はじめに、で「なぜ人は学ぶのか」。《人間の脳は、過去の出来事や過去に得た知識を、きれいさっぱり忘れてしまうようにできている。もっと正