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よくあるご質問

心が弾むような…。名歌200選? 素浪人の『万葉集漫談』(225話)

女帝として辣腕をふるった持統天皇はまた、無類の旅好きでもありました。
とくに壬申の乱の前年、夫の天武天皇(当時、大海人皇子)と隠棲した吉野へは、天武亡き後、32回も訪問したことで知られ、大変有名な話です。
亡き夫への思慕、追憶と思えば、天武天皇もよき女性に恵まれたものです。現代ではとてもとても得られる幸せではあるまいと言うと、おっとどっこいと、どこからか声がかかりそうですね。(笑)
次の歌は、701年(大宝元)秋の9月に、紀伊の国へ行幸された時、巨勢を通っての旅だったのでしょう。 お供した歌人の歌です。

(225)  巨勢山(コセヤマ)の つらつら椿 つらつらに
          見つつ偲ばな 巨勢の春野を
                巻1・54  坂門人足(サカトノヒトタリ)

大意・ 巨勢山のつらつら椿をつらつらと見ながら偲ぼうよ。椿の花が咲く巨勢の春野の美しい様子を。…という歌の通りの意味で、解釈するより大声を出して読んだ方がイメージにぴったりすると思います。 
解説・ おや、秋なのに春かな?と仰らないでくださいね。
「つらつら椿 つらつらに…」と心が弾むようで、一寸スキップでもしてみたくなるような雰囲気が出ていて、楽しい歌になっています。
ついでに次の歌もご覧下さい。

(225’) 川の上(へ)の つらつら椿 つらつらに
           見れど飽かず 巨勢の春野は
             巻1・56 春日蔵首老(カスガノクラビトオユ)
解説・ 意味は前の歌を参照ください。ただこちらは、咲き連なる椿の木の花を目の前に、巨勢の春の野に嘆声の声をあげた歌となっています。
前歌の元歌ではないかという説も、前の歌に唱和した歌だとする説もあります。作者、春日蔵首老は元、弁基というお坊様ですが、還俗した人です。
著作権を争うのは、ずーつと後代のことで、古代の歌は共有財産です。
心地よい響きの歌、リフレーンのテクニックを教えたお二人の万葉歌人に感謝し、私達はこの2首を今日も朗誦し、一日を楽しむこととに致しましょう!(笑)

カテゴリ:ニュース・その他

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