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よくあるご質問

悲喜、明暗を分ける里帰り。夫婦仲は?…名歌200選(28)(29) 素浪人の『万葉集漫談』(232)

妻の「里帰り」にも明暗があって、その後の夫婦間の人間関係を占う恰好の材料ともなります。 
中高生も知るポピュラーな次の歌2首にさて、皆さんはどのような占いをなさいますか…?

(232) 我が里に 大雪降れり 大原の
         古りにし里に 降らまくは後
            巻2・103  天武天皇(テンムテンノウ)
大意・ お〜い、俺達のいる飛鳥浄御原宮は今日は大雪だ。里帰りしたお前さんの大原の片田舎にも、そのうち降りだすぞ! 


(232')  我が岡の オカミに言ひて 降らしめし
         雪の砕けし そこに散りけむ
            巻2・104  藤原夫人(フジワラノブニン)  
大意・ (何をおっしゃいます!)私の里の大原には、大昔から住むオカミ(竜神様・雨雪をつかさどる神)がいらっしゃるの。そのオカミにお願いして雪を降らせてもらったのよ。その雪のかけらが、そちらにも降ったのだわね、きっと。             
 …といった夫婦の言わばユーモラスな掛け合いの歌二首です。里帰りといっても、宮殿から1キロと離れていない距離に藤原鎌足(藤原夫人の父)の家があって、手をかざすと見えるような距離です。

解説・ さて、この二人の歌の勝負、どちらに軍配を挙げます?(笑)
実はこの歌が詠まれた686年の9月9日には天武天皇は亡くなられるのです。
天皇には皇后、妃、夫人、嬪という位の高い妻たちがいました。ここに歌われた藤原夫人は鎌足が天武に嫁がせた二人の娘の妹の方で、五百重娘(イホエノイラツメ)です。天皇の一番若い妻でお二人の間には新田部皇子が生まれています。
 天皇が亡くなるとあの、大津皇子逮捕という悲劇も始まるのですが、若い五百重娘(イホエノイラツメ)はやがて、鎌足のつぎを担う異母兄、藤原不比等(フヒト)の妻?となって、藤原麻呂(そうです。例の藤原4兄弟の一人です)を生みます。
畏れ多くも天皇の妻だった女性を手懐けて問題にもならなかった藤原不比等の当時の権勢の大きさがわかろうというものですね!

法体制を整備し、律令国家を推進して、先進国中国に劣らぬ国を目指し、剛腕を発揮した天武天皇でしたがさて天国に行かれて、五百重娘のその後をどのような思いで、ご覧になったことか…。

カテゴリ:ニュース・その他

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