「聖徳太子と法隆寺の謎」倉西裕子著、2005年平凡社

九州王朝不存在を考えている間に、「タリシホコ(多利思北孤)」が一般的に聖徳太子に比定されていることと、聖徳太子には非実在説のあることが、
頭の中を占領してすっきりしないので、調べたいと思っていたら、この本に出会った。

1.書紀編年の疑問
日本書紀は編年に紀年と実年代に矛盾があり、江戸時代からの研究史から、紀年と実年代に120年(干支2元)のズレがあることが、本居宣長らによって発見されたものの、その採用理論までは明らかにすることが出来ずにいた。
この著者は、書紀の紀年は、仮称A列からD列までの4本の年代列があり、その列の各々に基準年が設定されているとして