絶世の美女、小野小町の生涯も…? 名歌200選(番外) 素浪人の『万葉集漫談』(239話)

天下に聞えた絶世の美女、小野小町(オノノコマチ)と言えば、言わずと知れた平安前期の著名な女流歌人。古今集で知られるが一般には百人一首の九番歌が馴染みであろうか…。

・ 花の色はうつりけりないたづらに我が身世にふるながめせしまに

大意・ 花の色も私の美貌も、もはや衰え色褪せてしまった。若さと美貌を持て囃されて有頂天な生活が続きすぎたのだろうか…。
解説・ 古今集113番の歌であるが、爛漫と咲き匂っていた桜の花の色褪せ行く姿を自らの容姿に重ね合わせた歌です。
絶世の美女として浮名を流した小野小町は年老い、老いぼれてやがて野垂れ死にをしたとされ、老残な姿は