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よくあるご質問

わけ知りの関係

その人に初めて会ってから3年が過ぎたろうか。

街にイルミネーションが輝いて、季節はクリスマスに向かっていた。

通勤の途中に以前に住んでいた街があって、電車を降りて馴染みのbarに顔を出す。

その飲み屋街に続く賑わいに一軒の花屋がある。
店頭にステンレスの花器に花を一杯飾って、歩道の反対側には植木を並べ、華やかな照明に照らされて、つい立ち止まってしまう。夜遅く11時までやっている。

その人は花屋のオーナー。

「むかしは喫茶店でした。おかげ様で繁盛したのですが、全国チェーンのカフェが主流になって、経営が落ち込み花屋に変えました。
家族でこうして試行錯誤でやっていますので、高くは頂けません。この先の花店から、安すぎるとお叱りを受けた事があるのですよ」

なるほど、店の中にはカウンターが残っていて、その上には観葉植物が並び面影を残している。売値は並みの花店よりもはるかに安い。

「ミモザはいかがですか。細かな銀色の葉が美しく春には黄色い花が咲きます。冬が終わると近所の人が咲くのを待ちますよ」と薦められて買ったのが始まり。
「私が週に3回は、朝に花の市場に行きますので、お宅さまは途中です。お届けしましょう」

barを出て眺めていると、微笑をこめて話かける。

「桃が入りました薄いピンクで上品でしょう。いかがですか」
「侘助は椿とはまた違って控えめ。落ちた姿に風情があります」

深く飲んだ夜にふところを思い決めかねていると、数日して庭に樹が届いた事もあった。
メモに「お気に入りかと思いましたので。お気に召さなければ持ち帰ります。お支払でしたらまた、来られたおりに」。

昔の富山の置き薬スタイル。

「お宅のポスト脇の階段のそばに、これは映えますね」
我が家の小さな庭だが、薦める花の位置まで知っていて目利きの言葉に心が揺れる。

そんな関係が−−。

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