夏、気温が30℃を超えても
湿度さえ無ければ風が吹くと涼しく感じる


家の窓を全て開け放つ

風がレースのカーテンを揺らし
風鈴を幾度か鳴らしては通り過ぎていく


木立を抜ける風

平野を渡る風

風が運んだ植物の種は
やがて新しい住処で新しい命を育てる


ビルの谷間もアスファルトの路も
風が吹けば人はそこで生きられる


エアコンの風はお金を出して買わなければならないが
自然の風は誰の為にでもなく平等に吹く


「人生とは風に吹かれて歩くようなもの」

そんな誰かの台詞もいつか聞いたっけ


そよぐ風も嵐も
みんなあっての人生か



風は天下の