栄光と怨念と悲劇を身一つに秘めた持統女帝?…名歌200選(46) 素浪人の『万葉集漫談』(241話)

「怨念」というと、さしづめ夏の夜の妖怪か幽霊として妄想が広がりそうですネ。涼しくなって恰好の話題。…(笑)。

『日本書記』によると、持統女帝は落ち着きのある度量の広い人柄でした。自分の思いを深く胸に秘めて、幼なかっつた子供のころの怨念を胸に秘め、耐えて、時が来るまでその激しい復讐心は誰にも知られることがなかったようです。
645年(大化元)に生まれた彼女は649年(大化5)5歳にして、残酷で悲惨極まりない運命に晒されます。それは生涯忘れることのできぬ憎悪を彼女の胸の内に焼きつけつたようです。
祖父で孫の彼女たちを非常に可愛がってくれていた、右大臣蘇我石