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よくあるご質問

栄光と怨念を身一つに秘めた持統女帝!?…名歌200選(47) 素浪人の『万葉集漫談』(242話)

永井路子著、『女帝の歴史を裏返す』
高木きよ子著『八人の女帝』
山路麻芸著『万葉の女人像』
犬養悦子著『古代史幻想』
等など…と、持統女帝のことをそれぞれに一章をあてて、詳細に書いている本がある。何れも女性たちの目でとらえた持統女帝像が鮮明に浮かぶ。なかでも、永井路子の著書は築地の国立がんセンターの通り向かいにある朝日新聞ホールに永井路子の講演を聞きに行った折りに、彼女がサイン入りで売っていた著書である。女性たちがとらえる持統天皇の姿を少し知っておきたいという気持ちからだったか…。

犬養孝、中西進といった著名な万葉学者達の講演を幾度か聞きに行って、『万葉集』に少しづつ傾倒し始めていたころのことだった気がする。

所謂「万葉学者」ではない(高木きよ子は元お茶ノ水女子大教授だしあるいは専門家かも知れない)皆さんが、それぞれに『万葉集』を詳細に勉強されていて、女性が書いた楽しい読物であったことを敢えて報告し、私のこの「万葉日記」をつづるのに一役買ってくれたことも書き加えておく必要がありそうである。

フフフ…。では、思わず吹き出しそうな持統女帝の、女性らしい悪戯っぽさが躍如とする歌をご紹介しておこう。

(242) 不聴(イナ)と言えど 強ふる志斐(シヒ)のが 強(シヒ)語り
          このころ聞かず 朕(ワレ)恋ひにけり
             巻3・236   持統天皇
大意・ もう聞きたくないというのに、無理に話す志斐(シヒ)の強語りを、しばらく聞いていないわ、わたしはまた聞きたくなったのになぁ。

(242’) 否といへど 語れ語れと 詔(ノ)らせこそ
         志斐(シヒ)は奏(モウ)せ 強語り(シヒガタリ)といふ
              巻3・237 志斐の老女(オウナ)     
大意・ 何を仰るのですか、もうお話しするのは嫌ですと申し上げているのに、語れ語れと仰せられるから志斐はお話ししているのです。それを強語りなどとおっしゃって!

解説・ 中西進『万葉集・全訳注原文付』の年表では706年作となっているが、持統天皇は702年に太上天皇としてすでに亡くなられており、現時点では作歌年度は未詳と言うところであろうか…。  

永井路子の説では、持統女帝の怨念が藤原鎌足にも向けられていて、彼女が重用した、その子藤原不比人(フジワラノフヒト)とも対峙するのだが、この辺りはまだ私の研究課題の一つであり、日記に綴るのは時期尚早のようである。
ただ、天武・持統朝では遣唐使が全くなく、不比人が実権を振るえるようになって再復活して居り、ここに大きく変わる国際情勢や、時代の変化変遷をも俯瞰した史観が必要なことを感じている。  

いずれにしても女性の怨念、真夏の一夜の夢物語にしておくのは勿体ないし、皆さんの活発なご意見を承りたいと思う。(笑)。

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