8、ゴヤの《カルロス4世の家族》

スペイン王家を確立した、アラゴン王フェルナンド2世とカスティーリャ王イサベルの孫の、花王石鹸のような顎の大きなティツィアーノの描いた《カルロス5世騎馬像》を見ながら、ルーベンスの《三美神》へ。
 プラド美術館のルーベンスのコレクションは質・量とも世界一といわれている。画家としてのみならず外交官としても活躍したルーベンスの二度目のスペイン訪問は、英国との和平交渉が主務であった。マドリーではベラスケスに出会い彼に大きな影響を及ぼすとともに、フェリペ4世は最大のルーベンス愛好家となって、数多くの作品を蒐集した。
 ルーベンス46歳のとき愛する妻が死亡。その後、