謎の生い立ち、そして謎多き妻をもつ柿本人麻呂。…秀歌200選(48)(49)。 素浪人の『万葉集漫談』(243話)

柿本人麻呂と言えば、もう知らぬ人は人はないでしょう。万葉時代でも随一の名歌人で後世、歌聖と呼ばれ、日本全国に彼を祀る夥しい神社があるほどです。
しかしその生没年は知られず、生い立ちも定かではありません。ましてその妻たちも2人説、3人説4人説とあって今日まで夥しい万葉学者や研究者が、数知れぬ多くの研究発表をしながらなお、明快な回答は得られぬままなのです。
まるで怪奇小説に登場する偉大な歌人にたとえても不思議はないような男です。しかし、記録されて残した名歌の数々から、その存在を否定する学者はいないようです。

この万葉日記でもすでに再三登場し、優れた歌を披露