なき妻を偲ぶ人麻呂の涙。 名歌200選(57) 素浪人の『万葉集漫談』(249話)

「万葉集第2期の時代(672〜710年)には天武天皇・持統天皇の強力な主導によって、新しい律令国家の建設が進められました。「やまと歌」をこの新しい時代にふさわしい文学に仕上げて行ったのが柿本人麻呂です。」というのが、『万葉集ー隠された歴史のメッセージ』小川靖彦・青山学院大学教授、角川選書です。
そして、「人麻呂の「やまと歌」においては、口誦と文字、神話的想像力と新しい表現技術が激しくぶつかり合い融合します。人麻呂以前の歌謡の歴史を集大成するとともに人麻呂以後の「やまと歌」のあり方を決定づけた」とも小川教授は言います。
流石に気鋭の万葉学者です。「一般読者