倭人伝に書かれている文字の字義

先日、倭人伝は誤訳されているとの説を紹介したが、従来の通説と大幅に意味が変る所を、具体的に幾つか紹介する。

その前に、「転注文字」の説明をする。
転注文字とは、ペアとなっている二つの文字の一方の字義の範囲を限定し、他方の字にはそれ以外の総ての字義があるとする。
即ち、二つの文字を使い分けることにより、夫々の文の意味する所の違いを明らかにする用法。(次に「より」と「いたる」の2例を示す)

自(より) = 鼻也。始まり。倭人伝では海路を寄り道しないで直行するルートを示す。

従(より) = 随行也。「乍行乍止」(〜を繰り返す)倭人伝では陸路を途中立ち寄り