古代の怖ろしい海の旅。…名歌200選(61)(62) 素浪人の『万葉集漫談』(253話)

『万葉集』巻3は雑歌、比喩歌、挽歌で成り立ち、その雑歌の分類に、柿本人麻呂の羇旅の歌8首と、高市黒人の羇旅の歌8首が、前後(間に弓削皇子、長田王等の歌がある)して配置編集されています。
何れも万葉学者、著名歌人ら万人が異口同音に、「名歌」「秀歌」に挙げる作品です。

(253) ともしびの 明石大門(アカシオオト)に 入らむ日や
              漕ぎ別れなむ 家のあたり見ず
(253’) 天離(アマザカ)る 鄙の長道(ナガチ)ゆ 恋ひ来れば                明石の門(ト)より 大和島見ゆ
             巻3・254、