高田郁の「天の梯 みをつくし料理帖10」。

★3.8  シリーズ10作目。この根性物語には5つの艱難辛苦が用意されていた。?野江の身請け?天満一兆庵の再建?つる家の継続?澪の料理道?澪の伴侶に集約されようか。?〜?については前作までの経緯から想定内の結末ではあったが、?については予想を大きく超えてしまった。

仕上げに野江の生家・高麗橋淡路屋をもってきたところはさすが。結末の展開はべたべたした説明はなく爽やかに捻ってある。

5年に渡るこのシリーズ、時代小説界に新風を吹き込んだ作品といってもいいのだろう。特別編が予定されているというが、たぶん読むんだろうな。巻末の番付表がそのことを予言しているので