未だ初心忘れず「新聞記者」(望月衣塑子)

 官邸の記者会見で、新聞記者が注目を集めることは稀有であるが、東京新聞の望月記者は、森友・加計問題で鋭く官房長官に迫る姿で、相当に注目を浴びた。

 勿論、見るものは、現政権に対するスタンスに依って、望月記者に対する見方も、賛否分かれる処であるが、ただ一つ言えるのは、通常の官房長官会見の姿を一変させたのは確かであった。

 その望月記者の・・・謂わば「自叙伝」であるのが、この「新聞記者」(角川新書)である。だから、正確に言えば「新聞記者望月衣塑子」という処だ。

 先ず、子供時代を振り返る。児童演劇に身を置き、女優かミュージカルスターを夢見ていたところか