篠崎紘一 の 日輪(ひ)の神女(かむめ)

★3.5 第1回ロマン文学大賞(現、歴史浪漫文学賞)受賞作。

倭人伝でいう台与の物語。卑弥呼が没した後の内乱状態から13歳の台与が就任するまでを、祝女らの修行譚や出生の秘密を交えて描く。

ここでは筑紫邪馬台国から分離した大和邪馬台国を舞台としている点や、台与を斎王とし首長(王)とは区分している点が面白い。難升米や狗古智卑狗も登場する。

古代の稲作に関する神事や慣行、自然や気象に対する人々の考えなどの描写を多く取り入れているが、妙に心にストンと落ちる。神憑りへの修行や神憑きの描写も実際にありそうで・・・。

続編も読もうかな。「日輪(ひ)の神女(かむ