いかずちを静める


そうであれば良かったと人は言う
過ぎ去ったことを振り返りもせず
手の中から水は必ずこぼれ散る
わたしの気づかないところで
何か得体の知れぬことが騒ぎ出し
雷の落とされたことにも気づかない
それが人の正しい生き方だと分からずに
そう多くの間違いはしていないと
ただ言い聞かせる日々となる
元に戻ることは適わないと知りつつ
無情にも天に召された人々をただ思う
それなら幸運にも此処に残されたぼくが
ひたすらに生きることを全うしよう
容易くはない生きる証を貫けば良い
必ずや神々となった人たちが
生きる道標を示してくれるはず
今そばに居るか弱き者に目を向け
そっと