人生には岐路に立つことがある。
この小説は45歳になった服飾デザイナーの女性、瀬尾水樹が、会社から服飾業界からの撤退を知らされたあとの出来事を描いている。
会社の服飾業界からの撤退という心が落ち着かないときに、関西にある高校で同級生だった堂林憲吾から恩師が危篤であることを知らされる。それをきっかけに瀬尾水樹は当時の貧しくて大学に行けなかったこと。いじめをうけたこと。同じ団地で仲良しだった森嶋信也との記憶を思いだす。交流がなくなった彼との思い出はいっそう彼女を苦しめるのだが。
水樹は新幹線に乗り、何度か恩師を見舞う。やがて、水城は幼馴染の堂林憲吾や恩師