江上剛「会社人生、五十路の壁」

 私自身、五十路の壁に叩きのめされた一人である。挫折を味わった。しかし、決して自分を不幸だとは感じていない。不運だったと思うことはあっても、今は今なりに充実している。とは言え、まだ役職定年や定年など次の壁も迫って来ている。次の壁の到来を前に、どう対処すべきか思案している時に本書が目に留まった。結論を言ってしまえば、求める答えは本書にはない。自分の人生の問題は自分でしか解決できないのだから、当り前と言えば当たり前だ。何か1つでも学ぶことがあればよしとしなければならない。

 著者は役員を目前にして会社人生をリタイアしているので、それを基準に物事を発想してい