寒茶

お茶といえば普通は夏も近づく八十八夜の頃に摘んで作るものだが、寒の一番寒い頃に収穫して作る寒茶というものがある。
かねてより一度作ってみたいと思っていたのだが、肝心のお茶の木がなかなか見つからなくて一度も作ったことはなかった。

去年偶然見つけたスギ林の野生化したお茶の木、常緑の杉林は霜や夏の強い日光から守ってくれる絶好の場所と見えて、葉も大きくて艶もよくて最高の素材だ。

春の新芽と違い冬の厳しい寒さから身を守るために、十分の養分を蓄えた葉は濃い緑で艶艶、これを枝ごと切ってきて蒸し器で一時間程蒸す、すると枝から葉がきれいに落ちる。
次に熱いうちに軽く手