芭蕉の老いと病の俳句

昨日の放送大学小山田先生の心理学講座のテーマは、芭蕉の老いと病の俳句。この資料を作成するのに、982句の俳句を読み、辞世の句について考察されました。その他芭蕉の句と断定しがたいものが、530句。19歳では年に1句しか作っていないのに亡くなる歳の51歳では89句も作句しています。

 著名な山本健吉は、その著書で芭蕉の「旅に病んで夢は枯野をかけめぐる」を辞世の句と断定していますが、芭蕉本人はそれを否定しています。それまでのいきさつをくわしく先生は解説されています。つい、著名な人の考えや一般論を是認しがちですが、よくよく考察するとそうではない場合もあることを