｢蜜蜂と遠雷」が映画化されたという。現在、予告編も配信されている。
話題になった本だから、ご存じの方も多いと思うが、日本で開催される国際ピアノコンクールが舞台で、破天荒な素質を持つ天才美少年や、今は成人した元天才美少女が登場する。この小説は、この一年ほどの間で読んだ小説のなかでは、僕のベストである。
作品中のコンクールは、その年、逝去した伝説的な音楽家ホフマンの推薦状に、「劇薬で、音楽が人を試すギフトか災厄だ」と記され、現れた一六歳の少年、風間塵を中心に展開される。彼は、桁外れな演奏で、審査員各々に衝撃と反発を与える。しかも、父親と共に移動生活をしている