趣味でつながる、仲間ができる、大人世代のSNS、趣味人倶楽部(しゅみーとくらぶ)

よくあるご質問

神が歌う子守唄

去年の8月の事だ。
その日も猛暑になるという予報通りに朝から暑い日だった。
家中の窓を全開して居間でくつろいでいたら、ほんのりと何かを燃やしている匂いが窓から流れてきた。

野焼きのような、どこか懐かしい田舎の匂いだ。
しかしこの辺にはそんな畑はない。
裏の家は広い敷地の庭を持っている。庭というより、作業場のような空き地なのだが、この辺の地主だった家らしい。

そこでドラム缶に入れたゴミでも焼いてるのかな…
でもそういうのって禁止なんじゃなかったっけ?
それにしてもこの暑い時に…

すると主人が裏の方の窓を覗いて驚いた声をあげた。
「おい!火事だぞ!」
「えっ?」

裏は北である。
北の窓は玄関脇と二階にあるがどっちも小さく、はめ込みの網戸もあって顔を出せない。
でも近い!
顔を出さなくても黒煙が見えた。
何しろ広い空き地のような庭を挟んだ裏の家の二軒隣。

けれど行こうとするとかなり遠回りをしないと行けない場所だ。

距離にして30mあるかないかのその火災に、私も主人もしばし呆然とした。

夜中でなかったからか、誰も「火事だあ!」と叫ぶ人もいず、我が家の私道に並ぶ七軒の家の住民は誰も火事に気づいている様子はない。
裏の家の地主の庭には数人がその様子をホース片手に見ていた。どうやら消防署への通報は済んでいるようだ。

夏のうだるように暑い、風のない日だったから、大火になる恐れはなかったが、鎮火したのは出荷元の家が全焼した後の夕方だった。
ただ家人は留守だったらしく、幸いなことに死傷者は誰もいなかった。

類焼を免れた右隣の家は密集地ゆえに、全焼した家と1mも離れていない。
だから双方の家ともに隣接しているその面には窓がなかった。
それが幸いしたのだろうと思っていたら、夜帰宅した次男が鎮火した後の様子を見てきて言った。
「隣の家は二階の窓の網戸が熱でぐにゃりとなっていた」と。

あら、窓はなかったんじゃ?と思ったら、隣家に接していない壁の窓だった。

隣家の火事は家の中を熱帯地獄にし、直接火は当たらなくてもそんなふうな被害を与えるのか。
被害は目に見えないものにも及ぶものなのだと思い知った。

今回の台風でも映像では見えない被害に遭われた方が大勢いらっしゃると思う。
心からお見舞いを申し上げたい。
昨日と今日が一変するような、そんな日はあまりにも辛い。

田舎にいた若い頃の私は毎日が同じ日だったことにうんざりしてたけど、今はもう同じ日が有り難いと思うようになった。
そしてやがて幸せがシンプルなものになり、ゆりかごで静かに揺られているだけで十分だと思うようになるのだろう。

たとえ神の歌う子守唄がどんなに退屈に聞こえても。

***

3つ共通する言葉。
正解は「空」 です。


空箱

空元気

空手

カテゴリ:日常・住まい

コメント

コメントはログインすると見られるようになります。