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よくあるご質問

死者に語る力を与える戦場ジャーナリスト、メリー・コルヴィン。映画「ア・プライベート・ウォー」

サンデイ・タイムズ(イギリス)の戦場記者メリー・コルヴィンの伝記映画である。サンディ・タイムズと言えば右派のメディア、ニューズ・コーポレーション系の日曜紙であるが、彼女自身それほど保守色のある記者では無い。それは、常に戦場を市民の目から描いているからであろう。彼女の視線には、政府も反政府も無い。あるのは、戦場にあって常に無力な人々の「小さな」命であるという事だ。メリー・コルヴィンにとって、政府も反政府も、戦争を止める力は無い。その力が有るのは、横たわる死体であり、消えゆく弱々しい傷病者の姿で有るという事だ。だからメリー・コルヴィンは、その姿を追い求める。そして、其れが、多くの戦場ジャーナリストの矜恃なのであろう。



メリー・コルヴィンは、スリランカの内戦(シンハラ人政府とタミル人ゲリラ組織「タミル・イーラム・解放の虎」との間の紛争)で左目を失い、それ以降、心的外傷後ストレス障害に悩まされながら・・・、酒とタバコ(時に男にも?)に溺れながらも、戦場に赴く。時に、アラファトやカダフィと言った「スーパー・スター」に辛辣な言葉を投げかけると言った派手な「パフォーマンス」を演じながら、戦場では、砲弾や銃弾をかい潜りながら一般市民の「闘い」を描く。その信念は、「死者や死にゆくものの姿には、それを伝える事によって戦争を止める力が宿る」ということであろう。その力は、「薄っぺらな「指導者」の力より強い」ということであろう。

メリー・コルヴィンは、シリア内戦の戦場でアサド政権の欺瞞を暴きながら砲弾に倒れ、命を失った。それは、政府軍による「狙い撃ち」だとも言われている。

日本では、命を賭して戦場に赴くジャーナリストに対して時に冷たい目が向けられることが有る。しかし、其れは、今まで、伝えられた戦場の悲惨な姿が、どれだけの紛争を終わらせて行ったかを思うと、信じ難い振舞いであると思える。この映画は、時に「自己責任」などいう冷たい言葉を投げ掛ける政治家にこそ見てもらいたい思いがする。



さて、メリー・コルヴィンを演じたのはロザムンド・パイクである。「ゴーン・ガール」では夫の浮気への復讐に燃える妻を演じていたが、ここでは、心的外傷後ストレス障害に悩まされるメリーの人間としての脆さと、真実を伝えたいと云うジャーナリストとしての強さを好演している。・・・凄い女優だ。



最後にひとつ・・・、映画の中でメリー・コルヴィンが戦場に赴く時にもブランド物の下着を身につけている姿が映る。ホットさせられる思いと、これこそ本当の勝負下着なんのか?と云う思いを同時に感じた。

カテゴリ:エンタメ・ホビー

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