旧き代の混ざりもの無き煙草の香


 
 旧き代の混ざりもの無き煙草の香 アロマ

 雹くると空が教へし煙草畑  若色寿美女

 醉ざめや十日の菊にたばこのむ  菊 正岡子規

 その昔スリーAの紅いパッケージ アロマ 

 邯鄲を聞く煙草火か動かざる  阿部ひろし

 蠧て下葉ゆかしきたばこ哉  蕪村 秋之部 ■ となせの瀧

 螢火に赤き煙草火ひとつくる  百合山羽公 寒雁

 蝌蚪の水に煙草火投げて訪ひにけり  銀漢 吉岡禅寺洞

 萬歳も煙草すふなり町はづれ  万歳 正岡子規

 莨愉し秋は火光をひざのはに  飯田蛇笏 雪峡

 莨持つ指の冬陽をたのしめり  篠原鳳作

 莨刻む