森真沙子 の 渡りきれぬ橋 柳橋ものがたり3

★3.2 慶応3年の5つの連作短編。
「夜の河」は虚弱の若様がせめてもの思い出にと舟遊びを。「春雷」は殺された庄内藩士・葛岡と馴染みの芸妓・瑞江の関係。「夕映えの記」は船宿・篠屋の板前・薪三郎と大森の海苔問屋の女将との関係。「雨が・」は薩摩の密偵・益満休之助が登場。「へちま」はラシャメンに売られそうになった芸妓・久米八。全編を通して閻魔堂という怪しい易者の先生が出没する。

世過ぎのために飛び込んだ船宿ではあるが、綾への期待度は徐々に大きくなっていく。同時に、何にでも首を突っ込みたくなる性格も顕著に。この回は綾の死んだ夫が蘭方医だったことも。だが、綾の将